今回は、空き家の処分を考えたときにどんな方法があるか、処分せず放置していたらどんなリスクが生じるかなどをご紹介したいと思います。
◎空き家を処分する3つの方法
①売却する
一般的に空き家を処分する際に一番多く選ばれるのが、『売却』です。
空き家や土地を手放すかわりに対価を得ることができるのが大きなメリットといえます。
比較的築年数が浅いなどで損傷も少なく建物の状態が良い場合は、そのまま売却するのがよいでしょう。
しかし、建物の状態が劣化して悪い場合は、建物がほうが早く売れる可能性が高いため建物を解体して更地にして売却することで、新築を建てたい方や駐車場、コインランドリーなど投資目的の人までターゲットを広げられるため購入してもらえる確率が上がります。
他にも不動産会社に直接買い取ってもらう方法もあります。買取りでは、仲介売却で買い手がなかなか見つからないような物件でも販売できる可能性は上がりますが販売価格は通常の5~8割程度まで下がります。
②無償譲渡する
なかなか売却できない場合は、第三者に無償譲渡する選択肢を考える必要があります。
空き家は持っているだけで管理費や固定資産税がかかり、さらに維持や管理していく費用もかかってきます。そのような手間やお金を惜しむ場合は、無償で第三者に譲渡した方がメリットが大きいです。
ただし、親族に無償譲渡すると贈与とみなされる可能性も高く、贈与に認められてしまうと買い手側に贈与税が課せられるので、税理士などの専門家に相談してみるのがよいでしょう。
③有効活用する
空き家を活用して収益を得る選択肢もあります。空き家をそのまま活かすことが可能なら、賃貸や民泊施設として活用することがおすすめです。多少のリフォームは必要になりますが、家賃の設定をしっかりとできていれば安定した収入源にもなります。
また、立地が良ければ更地にして賃貸アパートや駐車場、コインランドリーなどに変えて活用するものいいでしょう。
上手くいけば家賃収入などの新たな収入源となりますが、経営するためのノウハウを取得が必要であったり、賃貸にしても空室になったり、立地によっては収入につながらなかったりというデメリットもあるためしっかりと検討しましょう。
◎空き家を処分しない場合のリスク
*持っているだけで維持管理の負担になる
空き家は持っているだけでも想像以上にお金がかかります。固定資産税、解約していなければ電気や水道の光熱費、修繕などのメンテナンス費、火災保険や地震保険に入っていた場合は保険料、空き家が遠方にあれば交通費など何かと費用が必要です。特に固定資産税は一戸建ての場合支払い額は1年に約10万~15万円が目安になります。さらに管理するための費用もかかるため空き家は放置しているだけで大変なお金がかかります。
そして長期間放置して『特定空き家』に指定されてしまうと固定資産税も6倍になってしまう場合もあるので注意が必要です。
*空き家は劣化の進行が早い
人が住まなくなった空き家は、一気に傷みやすくなります。特に掃除や片づけを定期的にできずきちんと管理が行き届いていない空き家ほど劣化はどんどん進んでいきます。
劣化がひどくなると売却しようと思ってもしにくくなってくるので、劣化が進行する前に売却を検討することをおすすめします。
*近隣住民とのトラブルになる可能性がある
空き家を処分せずに放置していると、雑草が生い茂り虫が発生したり、枝が伸び切って隣の家や道路にまで渡り迷惑をかけることになります。
さらに劣化が進むと景観を損ねてしまうことになり、近隣住民の方からクレームが出てトラブルになる可能性が高くなります。
また、不法投棄などで犯罪につながるリスクを作ることになったり、劣化の進行により倒壊する危険性も出てきたりします。万が一、人的被害が出れば損害賠償が発生することもあるためできるだけ早めに処分をするのがよいといえます。
*子世代に負の遺産を残すことになる可能性もある
親から遺産相続として不動産を相続するも、不動産が状態によっては負の遺産になる可能性もあります。家を相続して売却しようとしてもなかなか買い手が見つからなければ処分せざるをえなくなります。
子世代に迷惑をかけないためにも親の務めとして早めに空き家を処分しておくのがよいのではないでしょうか。
以上より、空き家を放置していてもメリットとなることはなく、さまざまなリスクが生じてくるということがわかりました。
空き家を十分な管理ができず処分を考えはじめたら、できる限り早めに対処できるほうがよいでしょう。その一歩として不動産会社などに相談してみるのもよいのではないでしょうか。